保険を上手に利用して終活を行う


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保険を上手に利用して終活を行う

厳しい老後の資金対策に活用できる保険

厳しい老後の資金対策に活用できる保険 平均寿命が延びる中、年金支給開始年齢は徐々に引き上げられ、更に低金利が長く続き多少の蓄えがあっても金融資産の金利収入にも期待できません。老後に夫婦二人で多少ともゆとりある生活を行うためには年金以外に退職時点で約3000万円の蓄えが必要と言われています。更にこれに加えて、病気療養が長引き、介護が必要になると医療費、介護費用、そして葬儀費用が必要となります。これだけの金額を預貯金やその他の資産で残せない場合は、その一部、または全部を保険でカバーすることを考えると良いかもしれません。

しかし、高齢になってからの生命保険、傷害保険加入はいろいろな制限が付いて加入が難しい、あるいは加入できても保険料が高くついて加入を諦めなければならないことが考えられます。そこで、加入条件が緩く補償金額が少額な「少額短期保険(ミニ保険)」の活用を考えてみると利用価値があるかもしれません。

少額短期保険(ミニ保険)は、2006年に制度化された新しい保険で、保険の対象を限定し掛け金も補償もミニにした保険のことです。契約手続きも簡素化されており、非常に簡単・手軽に加入できます。例えば、葬儀保険として、ある少額短期保険会社から1口の補償金額が30万円で、年齢別の保険料が最も高くなる70-79歳で1000円./月額で加入できる保険があります。(複数口加入可能)

年齢区分年間保険料
15-19歳3300円
20-29歳3500円
30-39歳4000円
40-49歳5000円
50-59歳6000円
60-69歳7000円
70-79歳12000円

保険料が最少で275円/月額、最大でも1000円/月額と金額的な負担が小さい上に、加入に際して、「医師の診断不要」「健康状態に関する告知書の提出不要」「持病がり通院中、服薬治療中、あるいは身体に障害があっても申し込み可能」という簡単に加入できるという特徴があります。医療機関に入院中の場合は加入できませんが、退院できればその時点で加入可能です。その他にも生命保険、医療保険、傷害保険などが各少額短期保険会社から発売されています。少額短期保険会社数は2013年8月現在で74社あり、それぞれが特徴のある保険を売り出しているので自分にあった保険を探してみるのはどうでしょうか。

少額短期保険の利用上の注意点として、少額短期保険は、保険期間が短く掛け捨てなので貯蓄を目的とした利用はできないこと、また少額短期保険は保険契約者保護機構の対象外なので会社が破綻した場合の保障を生命保険と違って受けることができません。そのため、加入に当たっては破綻しない経営状態のしっかりしたところを選ばなければなりません。


死亡保険金の生前給付の活用

死亡保険金の生前給付の活用 通常、保険金は死亡しなければ支給されません。死亡してから支払われる保険金では、保険契約者は残された遺族は助かりますが本人が有意義な使い方をすることができません。 しかし、生前給付が可能な保険を利用すると、一定の条件を満たすことで死亡保険金と同じ金額または一部を死亡していない生前に受け取ることができます。

生前給付が受けられる保険は、がん、心筋梗塞、脳卒中などの致死率が高い、あるいは後遺症が残ってその後の生活が大変となる三大成人病などの特定の疾病で完治の見込みが無いと判断された場合、及び病気やケガを問わず医師から余命宣告を受けた場合などに給付される特約をつけた保険などで利用できます。生前給付された保険金で、より高額で保険対象外の最新医療で治療を受けたり、逆に無理な治療は受けないで、最期を迎えるまでの残された余命を有意義に家族とともに過ごしたりする費用に充てることができます。終活として人生を有意義に過ごす資金として活用できます。

この特約は通常「リビングニーズ特約」と呼ばれ追加の保険料は要で付けることができます。そして今、この制度を利用する人が増加しています。認知症になって意思表示ができないことを考えて、保険契約者に代わって保険金を請求できる代理人を決めておくと保険契約者の意思を尊重して生前給付金を有効に利用できます。